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【富山】再就職活動に主婦真剣 支援セミナー盛況、相談急増

2010/06/28

事務系狭き門

 結婚や出産で一度離職した女性による再就職活動が、富山県内でも広がっている。富山は共働きの土壌があり、女性の労働意欲は高い。だが景気低迷に加え、事務系の職種に人気が集中する傾向があり、再就職は容易ではない。(山田晃史)

 ■より若く
 今月上旬、富山市内で開かれた再就職支援セミナーには、二日間で延べ約九十人が参加し、盛況だった。

 セミナーでは履歴書の書き方や面接の受け方、自己分析の方法を指導。メークアップ講座では女性講師が「同じ三十五歳でも若く見える方が採用されます」と、表情が明るく見える化粧を伝授した。

 参加した市内の女性(36)は「マイホームを買ったが、住宅ローンで貯金ができなくなった」と、三月から就職活動を始めた。

 短大卒業後、サッシ会社など三社で働いたが、出産を機に離職。この十年は専業主婦で、小学四年の長男(9つ)と幼稚園年長の長女(5つ)を育てている。

 四月、企業に履歴書を提出したが不採用となり「自分を磨いて変えなければ」と奮起。対策を本格化した。効果が出たのか、今月中旬からホームセンターでパートとして働き始めた。

 ■増加傾向
 富山労働局によると、主婦層が大半とみられる無業求職者は、三月が前年同期比23・5%増の千八人、四月が同5・2%増の九百三十二人と増加傾向にある。県女性財団が二〇〇九年に受けた主婦の再就職相談は、過去五年で二倍以上の六百七十件だった。

 主婦の再就職活動が活発化しているが、富山労働局は「四月の有効求人倍率は〇・六二倍。緩やかに回復しているものの、依然厳しい」と長引く景気低迷で、実際の就職の難しさについて言及する。

 県女性財団の西井秀子専務理事は「富山には共働きの土壌があり、若い女性が働くのは当たり前」と主婦の再就職活動が浸透しやすい地域性を指摘。その一方で「目立つことを敬遠する県民性があり、大半が事務系のパートを希望している」と分析。求める職種はより狭き門となっているようだ。

再就職支援セミナーのメーク講座を受ける主婦たち=2日、富山市のサンフォルテで
再就職支援セミナーのメーク講座を受ける主婦たち=2日、富山市のサンフォルテで