2010/06/08
すし職人が減っていることから、調理師の“卵”たちに、すしの魅力を伝えようと、職人らによる特別講習会が7日、津市大谷町の三重調理専門学校であり、生徒たちがぎこちない手つきで体験した。
県すし業生活衛生同業組合の技術部長で、「東京大寿司」(津市雲出本郷町)の松田春喜さん(60)と、同店の職人らが講師を務め、生徒48人が参加した。近年、後継者不足や回転ずし店の増加が原因で個人店が減少。松田さんらは、こうした状況に歯止めをかけようと、調理師学校の生徒らを対象に指導を続けている。
講師らは、卵やマグロなどネタごとに違う握り方や、のりの表裏の見分け方などを“伝授”。初めてすしを握る生徒も多く、米が手にくっついたり、できあがっても形がふぞろいになったりと、悪戦苦闘しながら取り組んだ。
パティシエを目指している、山下綾音さん(18)は「のり巻きを切るときにのりが包丁にくっついてしまい、苦労した。そんな簡単に握ることができないと実感した」と話した。岡田陸さん(18)は「まだ将来については決めていない。すし職人は大変そうだが、考えてみたい」と語った。
最後に、松田さんが「今、調理学校ではパティシエが人気だそうだが、世界各国で、すしを握っている職人もいる。ぜひ、すしの業界にも進んでほしい」と呼び掛けた。
松田さんが店を開いた1977年当時、組合に所属するすし店は470あったというが、現在は207にまで減少している。
(山内晴信)
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