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【社会】キャバクラ嬢に救いの手 名古屋に労働相談窓口

2010/06/02

 店からの理不尽な罰金などに悩むキャバクラ勤めの女性を助けようと、名古屋市熱田区の地域労組「名古屋北部青年ユニオン」が、専門の相談スタッフを配置した。

 24時間態勢で電話やメールで相談に応じ、団体交渉や弁護士による法的アドバイスを通じて解決を目指す。

 担当の石田進さん(37)によると、同ユニオンはキャバクラなどで働く女性を積極的に支援し、昨年夏以降、全国からの相談が急増。「病気で休むと言ったら、2万円の罰金を請求された」「辞めたいと言ったら、給与は払わないと言われた」といった相談が相次いだ。

 中には「(娘が)辞めようとしたら罰金50万円を請求され、ほぼ無給で働いている。労働基準監督署で『弁護士のところへ』と言われ、相談先がなくて困った」という親からのメールもあった。

 相談はこれまで30件以上寄せられ、ユニオンが交渉に乗り出した結果、多くは解決した。非を認めて支払いに応じる店がほとんどだが、最近は「不況のせいか、話し合いの場に出てこない悪質な店も目立ってきた」(石田さん)という。

 キャバクラの女性をめぐっては、東京で昨年暮れ、女性らによる「キャバクラユニオン」が発足している。

 石田さんは「今は春から働き始めた女性たちのトラブルが増え始める時期。ほとんどの場合、正当な理由なしに賃金を支払わないなど、店側の法律違反だ。1人で悩まずに相談してほしい」と訴えている。

 相談は無料。問い合わせは、名古屋北部青年ユニオン=電052(911)4601=へ。

 【キャバクラ】 キャバレーとクラブの合成語。若い女性が接客する飲酒店のこと。1985年ごろから広まり、同年「日本新語・流行語大賞」を受賞した。キャバクラで働く女性従業員のことを「キャバクラ嬢」と呼ぶ。

(中日新聞)