2010/05/01
県内の3月の有効求人倍率は0・53倍で、2年10カ月ぶりに前年同月(0・47倍)を上回ったことが30日、長野労働局の調査で分かった。前月から0・06ポイント上昇したものの、一昨年秋からの景気低迷以前に比べれば依然として低水準。上昇傾向は続くのか、同労働局は警戒しながら見守っている。
地域別では、南信が0・52倍(前年同月比0・09ポイント増)、中信が0・52倍(同0・07ポイント増)、東信が0・45倍(同0・04ポイント増)、北信が0・56倍(同0・03ポイント増)。3年4カ月ぶりに4地域すべてで前年同月を上回った。
一方、2009年度通年の同倍率は0・43倍(前年度比0・34ポイント減)で、これまで最も低かった02年度の0・69倍を大幅に下回り、過去最低を更新。今回の景気低迷の深刻さがあらためて浮き彫りになった。
同労働局によると、3月の求人倍率回復の要因は、新規求人数の増加。特に輸出向けが好調な電子部品・デバイスや輸送用機械などが増えて、製造業全体で前年同月比118・8%増(1989人)だった。
ただ、製造業で増えた求人の多くは雇用期間が半年以内で、本格的な雇用回復に結びつくかは不透明だという。
年度末を迎えた3月末に契約期間が切れた労働者も多いとみられ、担当者は「4月も引き続き有効求人倍率が上昇するとは言い切れない」と話す。
今春に就職先が決まらないまま県内の高校を卒業した求職者は117人(前年同月比38人増)で、記録が残る1992年度以降最多。
賃金の不払いや解雇など労働者からの申し立てた申告を、県内の労働基準監督署が09年に処理した件数も前年比約1割増えており、厳しい雇用情勢が続いている。
(大平樹)
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