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【経済】失業率、09年度平均5・2% 2年連続悪化

2010/04/30

 総務省が30日発表した2009年度平均の完全失業率は、前年度に比べて1・1ポイント上昇の5・2%で、2年連続で悪化した。年度平均で5%台となったのは03年度以来6年ぶりで、水準も02年度(5・4%)に次ぎ、過去2番目の高さだった。今年3月の完全失業率(季節調整値)も前月比0・1ポイント上昇の5・0%で、4カ月ぶりに悪化。

 厚生労働省が同日発表した求職者1人に対する求人数を示す09年度平均の有効求人倍率は0・45倍。前年度に比べて0・32ポイント低下し、1999年度の0・49倍を下回り、過去最低となった。3月の有効求人倍率(季節調整値)は0・49倍で、前月比0・02ポイント上昇し、3カ月連続で改善した。

 08年秋のリーマン・ショック後の景気後退で企業が大幅な人員削減に踏み切り、09年度は雇用環境が急速に悪化した。足元では生産や輸出に回復の動きが続いているものの、景気の先行きは不透明で企業は人員抑制を続けている。

 長妻昭厚生労働相は閣議後の記者会見で「大変厳しい雇用情勢で、依然としてその厳しさは変わらない」と指摘。大学や高校を卒業したものの、就職先が見つからない若者らへの支援を強化する考えを示した。

 3月の男女別の失業率は、男性が0・4ポイント上昇の5・6%と悪化幅が大きい。一方、女性は0・1ポイント改善の4・3%だった。完全失業者数は前年同月比15万人増の350万人。このうち大学や高校などを卒業して就職できなかった人は21万人で、5万人増えた。

 3月の都道府県別の有効求人倍率は、最も高かったのは福井県の0・70倍。最も低かったのは沖縄県の0・30倍だった。

 【完全失業率】 労働力人口に占める完全失業者の割合で、総務省が発表している。労働力人口は、15歳以上で働く意思と能力のある人の総数。完全失業者は仕事がなく職を探しており、仕事があればすぐに働くことができる人。仕事探しをあきらめた人は、失業者に当たらず非労働力人口となる。2008年秋以降の景気悪化で、失業率は急速に上昇した。