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【長野】速歩きで うつ傾向改善 信大大学院が調査

2008/09/27

 病院勤務の看護師らが、仕事の合間や勤務後に速歩きのウオーキングを続けたところ、うつ症状が大幅に改善したことが信州大大学院医学研究科(松本市)の調査で分かった。現代人はストレスからうつ症状になりがち。調査を担当した能勢博教授(スポーツ医学)は「働く人たちの心身のケアに、運動がいかに大事かを示している」とし、各職場で取り入れるよう提案している。

 取り組んだのは、信州大病院の女性看護師13人。

 伊藤寿満子副看護部長が呼びかけ、昨年9月から今年4月まで、「速歩き」と「ゆっくり歩き」を3分ずつ繰り返す健康法「インターバル速歩」を、病院や自宅周辺で1日15分程度、1週間で計60分以上になるよう試みた。

 その結果、うつ傾向を評価する指数の平均値が、開始前は11・08ポイントと日本人女性の平均値(7・7ポイント)を大きく上回っていたが、運動後は5・85ポイントに低下。血液を採取して調べたところ、善玉コレステロールの増加や体脂肪率の減少などにも効果があった。

 参加した由上恵子さん(52)は「落ち込んだときはテレビを見て紛らしていた。体を動かすことで気分が楽になった」と話し、赤羽治美さん(40)も「熟睡できるようになった」と語った。

 厚生労働省の調査では、うつ病などを理由に仕事を休む労働者は企業規模が大きくなるに従って増加し、社会経済生産性本部(東京)によると、「心の病」で1カ月以上休む労働者がいる企業は約75%に上る。

 能勢教授は「ややきつい運動がリフレッシュになる。屋外を歩くと五感も活発になる」と話している。

 (坪井千隼)

休憩時間にみんなでインターバル速歩をする看護師ら=松本市の信大医学部付属病院で
休憩時間にみんなでインターバル速歩をする看護師ら=松本市の信大医学部付属病院で