2010/04/10
知的障害者の農業分野への就職を促進させようと、岐阜大応用生物科学部(岐阜市柳戸)が、岐阜特別支援学校(同市小西郷)の生徒を1年を通じて受け入れ、農場で体験実習することになった。全国的にも珍しい取り組みという。
9日、金丸義敬学部長と市教委の安藤征治教育長が同大で覚書に調印した。
応用生物科学部は農学系の教育研究を行っている。キャンパス内に8ヘクタールの農場があり、水稲などの栽培や畜産を研究している。
2008年に結んだ大学と県の包括提携などに基づき、同校生徒の2週間の職業体験を受け入れているほか、この2年で既に4人の県内特別支援学校卒業生を非常勤職員として採用している。
本年度からは農場での実習を同校のカリキュラムに組み込み、週1回、農業系の作業訓練をする高等部2、3年生15人が、鶏卵の出荷や花の植え替え、清掃、草刈りをする。生徒の成長に合わせ、作業内容をレベルアップさせていく。
岐阜特別支援学校の安田和夫校長は「臨機応変の対応が求められる農業への就職は例が少ない。しかし大規模農場なら活躍の場になる」と生徒の自立の可能性が広がることを期待する。
農場で指導にあたる大場伸哉教授は「これまでの経験で、能力に差はあるが、知的障害者でも十分仕事をしていただけると分かった。大学としても障害者への指導方法を研究する新たな機会」と話している。
(横山大輔)
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