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【社会】フリーター6年ぶり増 男性25~34歳で目立つ

2010/04/10

 アルバイトなどで働くフリーターの数が、2009年平均で前年比8万人増の178万人となり、6年ぶりに増加へ転じたことが、総務省の調査で分かった。景気低迷で正社員への就職が難しかったことが原因で、若者の就職環境の厳しさがあらためて浮き彫りになった。

 厚生労働省などによると、就職を希望する今春卒業の高校生や大学生のうち、今年1月末時点で約2割は就職先が決まっていない。厚労省は「正社員を目指しながら、当面はフリーターで生活費を稼ごうとする卒業生も多いとみられ、10年も増える可能性がある」としている。

 フリーターは職業能力を高める機会に恵まれないため賃金が上がりにくく、雇用も不安定だ。若者が安心して働けるようにするため、政府は雇用安定化策の強化を求められそうだ。

 総務省の調査で、男性のフリーターは81万人と前年より5万人増加。女性も3万人多い97万人となった。

 正社員としての就職が、より難しいとされる25~34歳の「年長フリーター」は、男性が4万人増の43万人と増加が目立つ。15~24歳も1万人増の38万人だった。

 一方、女性は年長フリーターが前年と同じ48万人で、24歳以下は3万人多い49万人となった。

 総務省は02年からフリーターの人数を集計しており、ピークの03年には217万人に達した。

 その後は、景気拡大による正社員の中途採用の増加や、好調な新卒採用などを背景に減少していた。06年には187万人と200万人を割り込み、08年は170万人にとどまった。

 【フリーター】 「フリーアルバイター」の略語。総務省は学生や既婚女性以外で、15~34歳のパート・アルバイト労働者やその希望者をフリーターとしており、35歳以上は除外している。バブル経済崩壊後、企業が新卒採用を大幅に減らしたため、正社員になれずフリーターになる若者が増加した。会社や組織に縛られず、自由な生活を求めてフリーターを選択するケースもある。