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【福井】県、県立大が就職支援 きょうから未内定者対象に

2010/04/01

 高校生や大学生らの就職内定率が低迷する現状を踏まえ、県や県立大は4月以降、就職先が決まらない卒業生への就職支援を新たに始める。卒業後も就職活動を続ける人を対象に、職業訓練や専従相談員の配置など、求人情報以外も手厚くして就職活動を支えていく。

 県労働政策課によると3月15日現在、県内の高校、短大、高専、大学の卒業生で進路が未定なのは計370人。特に大卒者が259人を占め、内定率は83%にとどまる。

 未内定者への就職支援は昨年まで若年無業者(ニート)と同様、県若者就職支援センター「ふくいジョブカフェ」(福井市)やハローワークが役割を担ってきたが、県も対策を進めることにした。4月21、22日に福井市の福井商工会議所で、未就職者向けの就活講座を開催。早い時期に動機づけを促し、併せて既卒者を募集する企業の案内も行う。

 このほか、無料で基礎的なパソコン操作を学べる短期の「ITセミナー」を開講。さらに電算業務にたけた人材を求める企業への就職あっせんを目指し、4カ月間で高度な情報技術を習得できる職業訓練も福井市と敦賀市で実施する。

 3月31日現在で約20人が進路未定の県立大も、既卒者向けの就職支援を重視。4月1日には就職専門職員を新たに3人配置する。新設するのは、個別面談や履歴書の書き方などを具体的に指南する「就職指導アドバイザー」1人と、求人情報を幅広く収集する「就職情報相談員」2人。カウンセラー資格者や民間企業の元労務担当者で、平日はほぼ毎日在籍し、在校生とともに相談に応じるほか、全体的な就職支援策も策定していく。

 就職・生活支援課の松田博子課長は「OB訪問も強化して人脈づくりを広げ、就職活動を続ける卒業生も積極的に支えていきたい」と話している。

 (原田晃成)