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【福井発】女性が支える 入会率日本一 県内シルバー人材センター

2010/02/28

介護や託児所「祖母力」を発揮

 高齢者に仕事の場を紹介する「シルバー人材センター」への入会率(六十歳以上人口に占める会員の割合)が、福井県は記録の残る一九九九年から十年連続で日本一になっている。その要因は女性会員の多さにあるようで、「元気なうちは働きたい」という福井の女性像が見えてくる。 (尾嶋隆宏)

 県シルバー人材センター連合によると、二〇〇九年三月末の県内会員数は九千五百二十八人。入会率は3・8%となり、全国平均の2・1%を大きく上回っている。中でも女性の会員比率は42%(全国平均33%)あり、「女性会員の多さが入会率を押し上げている」と同連合の大西重雄事務局長は分析する。

 二年前に公立保育園を退職した山下恵理子さん(58)=福井市=は、同市シルバー人材センターに会員登録。センター運営の託児所で一週間に数回、幼児の世話をしており、「子どもとかかわる仕事が続けられて幸せ」と話す。別の女性会員(64)も「家では笑う機会が少ないけど、ここは本当に楽しい」と、社会参加していることを喜ぶ。

 同市シルバー人材センターは、この約十年間で介護や家事、託児所などの地域サービス事業を充実させた。ほかにも「社員寮の食事作りや清掃の仕事も確保できている」(南越前町シルバー人材センター)という市町もあり、近年はシルバー世代の女性が働きやすい環境になっている。

 福井県は共働き世帯が全国第一位で、福井の女性はもともと働き者。福井市シルバー人材センターの朝倉由美子事務局長は「福祉、家事サービスは女性有利。社会で『祖母力』はもっと必要とされてくる」と語り、女性会員の一層の増加を期待した。