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【社会】運転中の急病死多発 愛知 事故最多ペース

2017/11/25

自動停止普及が急務

 車や自転車などを運転中に急病で死亡し、交通事故となった例が愛知県内で今年は10月末までに43件発生し、記録が残る過去3年では最多のペースで推移していることが県警のまとめで分かった。同様の事故は全国で相次ぎ、国土交通省や自動車メーカーは対策に乗り出した。(市川泰之)

 ◇ ◇ ◇

 県警によると、運転中に急病を発症して交通事故を起こし、後に病死と判定されたのは2015年に38件だったが、16年は48件に増加。今年は10月末時点で43件に上る。

 中部六県では今年、10月末までに三重で6件、滋賀で9件発生。ただ、「交通事故死」とみなさず、集計していない県警もある。警察庁が把握する急病や発作が原因の交通事故は、全国で昨年、前年より19件多い249件。うち死亡事故は20件だった。

 事故ではないとみられるが、今月16日には「それいけ!アンパンマン」のドキンちゃんの声を演じた声優鶴ひろみさん(57)が、東京都の首都高速上に止まった車の運転席で意識不明で見つかり、搬送先で死亡が確認された。

 国交省は今月、業務中に急病で死亡したトラック、バス、タクシーの運転手が12~16年の5年間で計196人に上ったと公表。うち、心筋梗塞などの心臓疾患が約半数の98人、くも膜下出血などの脳疾患、大動脈瘤(りゅう)・大動脈解離がそれぞれ30人(全体の各15%)だった。

 同省は昨年3月、運転手の体調異変時に車を自動停止させるシステムの普及を目指し、メーカーの技術基準を定めたガイドラインを作成。トヨタのレクサスLSは今年秋、国産車では初めて自動停車のシステムを搭載、日野自動車も開発を進めているという。

 高崎経済大の岸田孝弥(こうや)名誉教授(交通心理学)は「冬の冷えきった車内では血圧が上がりやすく、運転中のストレスも血管に負荷をかける。事前に車内を暖めたり、体調に異変を感じた場合は運転をやめるなどの対応が必要だ」と指摘している。

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◆事故死疑い 病死と判明

 運転手の病気が原因とみられる事故は11月7日、愛知県豊田市でも起きた。

 市内の無職男性(81)の軽乗用車が、丁字路で石垣に正面衝突。助手席の妹(73)が全身を強く打って死亡、男性も2日後に死亡した。

 県警は当初、ハンドルやブレーキなどの誤操作が原因だった可能性もあるとみて調べた。だが、医師の検査で男性に大動脈瘤(りゅう)があったことが判明。事故による外傷ではなく、病気が原因で死亡したと結論づけた。

 妻(72)によると、男性は事故直後に意識があった際「(衝突)直前に頭がふらっとした」と話していた。運転中に意識レベルが低下し、事故につながったとみられる。

 男性は血圧が高く、毎朝ラジオ体操に参加するなど健康を気にかけていた。自動車学校の高齢者講習にも参加していたという。

 今年七月まで26年間、夫婦で経営していた喫茶店を閉め、「ようやくゆっくりできるね」と話したばかりだった。妻は「水入らずで過ごせると思っていたのに…」と肩を落とした。(中尾吟)

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