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【医療】ホンネ外来・発/かかりつけ医 どう選ぶ?

2018/05/15

風邪の時など受診で確かめる

日本医師会研修制度を導入

 読者が受診した医療機関への意見を紹介する毎週掲載の「ホンネ外来」。読者からは「最初にかかった病院で誤診された」「あちこちかかったが診断さえされず、いい主治医が見つからない」など、医療機関を選ぶ難しさを訴える声が寄せられる。新生活をスタートした人もいるこの時期、自分に合った医師や病院をどう探したらよいかを考えた。 (小中寿美)

◇ ◇ ◇

 「誤診された」と投稿したのは愛知県のパート女性(50)。一昨年に息子が肺炎にかかったが、近所のクリニックでは風邪薬だけを処方された。熱が下がらず別の病院にかかると肺炎と分かり、点滴を1週間受けた。昨年には自身が左手の親指付け根を骨折。同じクリニックでエックス線撮影をしたものの、骨折を見逃された。

 クリニックの医師は脳神経外科が専門だが、「看板には、それ以外に『内科』と『整形外科』と書かれていたので信頼した」とパート女性。診療科名から医療機関を選ぶのはごく一般的なことだが、「看板に掲げられた診療科すべてが医師の専門分野とは限らない」と医療ライターの渡辺千鶴さんは指摘する。

 診療科の名前自体は医療法で定められているが、どの診療科を掲げるかは医師の自由。専門分野や経験年数にかかわらず決めることができるため、渡辺さんは「看板に最初に書かれている診療科が、専門的にトレーニングを受けていることが多い。クリニックの診療内容を含めよく確認して」と話す。

 一方、医師の専門資格を広告することが2002年から認められ、各学会がホームページで専門医の名簿を公開するようになった。何らかの症状があって専門医を探したい場合は、この名簿が役立つ。

 ただ、「いきなり大病院へ行くより、まずは地域のクリニックにかかった方がいい」と渡辺さん。一つの症状でも考えられる病気はたくさんあり、一般の人が症状にふさわしい診療科を受診するのは難しいからだ。「重篤な病気が見つかったり、専門的な検査が必要になったりした場合に設備が整った病院を紹介してもらえる。自分で調べるより安心で確実」と話す。

 費用面でもメリットがある。大病院の専門医に紹介状なしで直接かかると5000円以上の追加負担が求められるためだ。国などは地域医療を担うかかりつけ医と大病院の役割分担を進め、この春の診療報酬改定では追加負担がかかる対象の病院は500床以上から400床以上へと広がった。

 健診などでがんなど重篤な病気が見つかり、大きな病院の専門医を受診したいときに紹介状を書いてもらうためにも「何でも相談できるかかりつけ医を見つけておくといい」。

 では、かかりつけ医はどう探したらいいのか。患者と医療者のコミュニケーション向上を目指す認定NPO法人「ささえあい医療人権センターCOML(コムル)」(大阪市)の山口育子理事長は「求める基準は人それぞれ違うはず。優しく丁寧に説明してくれる人がいい、副作用などマイナス面も正直に伝えてくれる人がいいなど、まずは自分なりの基準を持って」と呼び掛ける。

 「自宅から近い」など、リクルートライフスタイル(東京)が提供する医療情報サイトが提案するポイント=図=は、選ぶ上での前提条件を考える参考になりそうだ。子どもがいれば小児科や耳鼻咽喉科、若い女性は産婦人科、介護が必要になるなら在宅医療をしている内科など、状況に合わせて複数持つ方法も考えられる。

 具体的な探し方について山口さんは「風邪やインフルエンザの予防接種など、緊急ではない時に毎回違うところに行き、自分の基準に合うか探ってみては」と助言している。

 ◇ ◇ ◇

◆求められる「総合力」

 かかりつけ医について、日本医師会(日医)は「何でも相談でき、必要な時には専門医や専門の医療機関を紹介してくれる身近で頼りになる医師」と定義している。幅広い病気の知識など総合力が問われるが、日本の医療はこれまで専門医の育成が中心だったため、そうした対応のできる医師は多くはないのが実情だ。

 日医は2年前、予防医学や在宅医療などかかりつけ医として必要な知識を学ぶ機能研修制度を始め、研修を修了した医師を各地の医師会で紹介するなどの仕組みづくりを進めている。診療報酬改定でも、訪問診療や夜間・休日にも電話対応する場合などに初診料を800円上乗せするなど、かかりつけ医の機能を評価し、定着を進める策が盛り込まれた。

 内科系の疾患を横断的にみられる総合内科の医師が増えているほか、総合診療科でも専門の医師を増やす新たな動きもあり、総合力を持つ医師は増えてくる可能性がある。

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