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【医療】ホンネ外来 発/医師の説明が分かりづらい・遠慮せずに質問して

2017/12/26

メモ活用、準備と確認を

 医療面で毎週掲載している「ホンネ外来」。投稿の大半を占めるのが、医師の言動や対応への不満や不信感だ。医師側の説明不足とみられるケースが多い中、読者からは「患者側も質問していかないと医師への不信感は募るばかり」など、患者にも説明を求める姿勢が必要との意見が寄せられている。(小中寿美)

 ◇ ◇ ◇

 ホンネ外来ではこの夏、脇腹にしこりがあるのにかかりつけの内科医が検査をせず、別の病院で腫瘍と分かった女性の投稿を掲載した。女性は内科医が「(腫瘍の検査代は)高いよ」と言ったことに疑問を感じたという。

 この記事を読んだ岐阜県の主婦(56)は「誤診と同等の過ちで、謝罪を求めてもいい話。少なくとも、なぜそのような判断をしたか説明を求めるべきでは」と主張。「銀行やスーパーで理不尽な対応をされたら説明を求めるのに医療現場では沈黙する。患者がその場で『ホンネ』を言う勇気を持たない限り、患者に寄り添う医療には改善されない」と訴えた。

 大腿骨頸部(だいたいこつけいぶ)を骨折して入院し手術まで4日待たされた女性の投稿には、母が同じ骨折をしたという愛知県の女性(55)から感想が届いた。元看護師でもあるこの女性は「治療は患者と医師の信頼関係が重要になる。患者側も質問をしていかないと不信感は募るばかりでは」と考えている。

 患者と医療者のコミュニケーション向上を目指す認定NPO法人「ささえあい医療人権センターCOML(コムル)」(大阪市)は患者からの電話相談を年間1000件以上受けている。医師の対応への不満や説明不足は多いが、山口育子理事長(52)は「医師と患者の双方に問題がある場合もある」と指摘する。

 たとえば医師の説明を聞きながら、よく分からないのに「はい、はい」とうなずいてしまった経験はないだろうか。山口さんは「患者がうなずくと『理解してくれた』と医師はとらえてしまう。そのまま流さずに『どういうことですか』と率直に聞いて」と話す。

 コムルは、患者の心構えをまとめた小冊子「医者にかかる10箇条」を発行し、希望者に有料で郵送している。

 だが「医師は忙しい」という認識が患者側にはある。意見を寄せた岐阜県の主婦も、糖尿病で通院するが「待っている患者さんがいると質問したくてものみこんでしまう。態度の大きい医師には伝わらないと思って言えないこともある」と明かす。医師とは知識の差も大きいだけに、患者はどうしても遠慮しがちだ。

 患者から質問することを医師はどう考えるか。総合内科で原因不明の発熱などに対応する名古屋第二赤十字病院の野口善令(よしのり)副院長(60)は「質問はしてもらった方がいい」と肯定的。「どんな治療を受け、どんな生活を送りたいか患者さんの価値観は多様化している。質問してもらうことで患者さんの知りたい情報や価値観が分かり、治療に生かせる」と説明する。

 山口さんが勧めるのは、質問したいことをノートに余白を残しながらメモして持参する方法。こうすれば質問を忘れずに済み、医師の説明を書き込むこともできる。「『家族に伝えたいのでメモしていいですか』などと事前に断れば、悪い印象も与えない」

 野口さんはこの方法についても「話すだけでは伝わらないことがあり、非常に有効。分かっていなかったと後で気付いた時も見返すことができる」と歓迎する。野口さん自身、メモを書いて渡すこともある。

 一方、元看護師の女性は「医師に聞きそびれたときは、後から看護師や薬剤師に聞く方法もある」と提案。「医師との仲介役になって解決できるかもしれない」と話す。

 10箇条に関する問い合わせはコムル=電(6314)1652=へ。

◆医師会指針に「説明義務」

 そもそも医師側は説明する責任や義務をどこまで負うのか。医療法第一条の四は「医療の担い手は、医療を提供するに当たり、適切な説明を行い、医療を受ける者の理解を得るよう努めなければならない」と、医師側の努力義務であることを示している。

 1980年代にインフォームドコンセント(IC=十分な説明を受けた上での同意)の概念が広まったのを受け、97年の医療法改正の際にICの根拠としてこの一文が加えられた。

 日本医師会が昨年に改訂した「医師の職業倫理指針」では、医師と患者の関係の基本は「医師は患者に病状を十分に説明し、患者自身が病気の内容を十分に理解したうえで、相互に協力しながら病気の克服を目指すこと」と説明。診察時に病名を含めた診断内容を告げ、今後の推移や検査・治療の内容、方法を「患者が理解できるように丁寧に分かりやすく説明する義務がある」と明記している。

 野口さんはICの浸透を背景に「数十年前と比べると医師は丁寧に説明するようになった」とみる。ただその中身は「病気や治療について一方的、専門的で、患者さんが知りたい情報や大切にしたいこととずれてしまっているのかも」と推測している。

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