2018/09/18
母国で役立つ技能を働きながら学んでもらう「外国人技能実習制度」の対象が昨年秋から介護分野にも拡大され、県内でも外国人の受け入れが始まった。第1弾は中国の男女6人。さらに今年中、ミャンマーから4人を受け入れる予定だ。
岐阜市にある「TS福祉介護サービス協同組合」の研修施設。14日、外国人技能実習生への日本語の講習会があった。広東省出身の蔡冬蓮(さいとうれん)さん(26)は「祖母が認知症になった時に自分はなにもできず、後悔があった。日本で介護福祉士の資格を取りたい」と話した。
中国から来日した20~30代の男女6人は、日本語教育を受けた後、介護現場で研修を受けながら働く。日本語の試験や技能試験に合格すれば、最長で5年働ける。
岐阜、愛知、静岡県の11の介護事業所が2015年に設立した組合は、当初、おむつや手袋などの物品を大量に安く仕入れる「共同購買事業」を目的にしていたが、18年1月、技能実習生監理団体として認可を受けた。背景は、介護現場での人材不足だ。
厚生労働省の推計では、25年度に介護人材は38万人不足する。介護付き有料老人ホームなどを展開する愛知県春日井市のサン太陽の鈴木克典代表は「毎年日本人を雇用するが、1年たつと半数以下になる」と言う。新制度には、人手不足解消の期待がある。
外国人技能実習機構名古屋事務所によると、8月末現在、制度の申請は管轄する岐阜、愛知、三重、静岡の4県で計45人。担当者は「まだ様子見をしている事業所が多い」と言う。
TS福祉介護サービス協同組合の山口洋児理事長(77)は「人材不足解決につながるか手探りの状態。困っている施設も実習生も幸せになれるようにしていきたい」と話した。
(高橋貴仁)
転職・求人情報検索(名古屋市・愛知県・岐阜県・三重県)はトップから