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【愛知】市民ら意欲蘇生法学ぶ 講師役名市大サークル手応え

2018/09/02

 救命の基礎知識の普及を目指す名古屋市立大(瑞穂区)のサークル「MeLSC(メルシー)」が、同区の女性団体の会員向けに、心肺蘇生法についての講習会を開いた。サークルが市民対象の講習を開くのは初めて。熱心に学ぶ姿に講師役の学生たちは手応えを感じていた。 (森若奈)

 「手のひらの硬い部分で乳首と乳首の間をぎゅっと押してください」。御剣コミュニティセンターで開かれた28日の講習会。医学部3年の内田智之さん(21)は、参加者に呼び掛けながら胸骨圧迫の手本を見せた。

 メルシーは、医学部や看護学部などの有志が集まって2013年に発足。救命活動ができる人を増やすため、これまでは学内の部活やサークルを対象に、練習中や試合中の事故を防ぐ講習を開いてきた。この日の講習は、地元の「みつるぎ女性会」から「万が一の時の救命方法を学びたい」という依頼を受けて実現し、内田さんら学生3人が講師となった。

 会からは60~70代の22人が参加。人体模型の傍らに膝立ちし、交代で30回の胸骨圧迫を5セット繰り返した。メルシーの顧問で同大病院救急科部長の松嶋麻子さん(44)も参加し「119番から救急車が到着するまでに必要な時間は、名古屋市で約6分。その6分で救える命がある」と訴えた。

 自動体外式除細動器(AED)の使い方の説明もあり、学生たちは「使い方を忘れても、起動ボタンを押せば音声案内があるので、指示に従って」と指導していた。

 参加した伊藤邦子さん(71)は「いざという時、パニックになってしまうこともあると聞く。講習をやるとやらないでは、落ち着き方も違うはず」と話した。メルシー代表で医学部3年の門園めぐみさん(20)は「参加者の意欲は高かった。機会があれば、また市民向けの講習を企画したい」と充実した表情だった。

参加者に胸骨圧迫を指導する内田さん(右)=瑞穂区の御剣コミュニティセンターで
参加者に胸骨圧迫を指導する内田さん(右)=瑞穂区の御剣コミュニティセンターで