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【地域経済】中小企業2万4000社 中部9県で休廃業

2018/08/15

5年間 後継者不足進む

 中小企業の後継者不足が主な理由となり、2017年までの5年間に、中部地方で約2万4千社が休廃業していたことが分かった。業績が良好でも会社を畳むケースが多く、休廃業は倒産の3倍以上の規模だ。国の推計では、25年までに中小企業の現役社長の六割超が「リタイア適齢期」の70歳を超える。経営を次世代に引き継ぐ「事業承継」への支援が急務となっている。

 東京商工リサーチ(東京)によると、中部9県(愛知、岐阜、三重、長野、福井、滋賀、石川、富山、静岡)で、13~17年に休廃業した企業は2万3835社。倒産した企業を合わせると3万1506社が事業を閉じ、全企業の約4%が消えたことになる。その大多数は企業全体の99・8%を占める中小・零細企業とみられる。

 中小企業庁の調査では、休廃業した企業の約半数は税引き前の経常損益が黒字だった。廃業を決断した理由としては、半数が経営者自身の高齢化や後継者の不在などを挙げている。

 愛知学院大の林伸彦教授(中小企業経営)は「オンリーワンの技術を持つ中小企業もある。廃業をものづくりの基盤全体が弱りかねない問題と考えるべきだ」と訴えている。