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【社会】働き方改革法成立 初の罰則付き残業規制 高プロ創設 拡大懸念 

2018/06/30

 政府が今国会の最重要課題と位置付けた働き方改革関連法が29日の参院本会議で、自民、公明両党と日本維新の会などの賛成多数で成立した。時間外労働(残業)に初の罰則付き上限規制を設け、非正規労働者の待遇を改善する「同一労働同一賃金」など働く人の保護策を盛り込んだ。残業抑制や過労死防止につながるのか効果が問われる。

 労働時間規制や残業代支払いの対象外とする「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」も創設。与党と一部野党による修正で、高プロ適用後でも労働者本人の意向により撤回可能と明記した。

 各制度の詳細約60項目を省令で決める必要があり、労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)で検討が今後、始まる。高プロの対象業務拡大を懸念する声が出ている。

 安倍晋三首相は成立について記者団に「多様な働き方を可能にする法制度が制定された。今後も働く人々の目線に立ち、国会でのさまざまな議論も受け止めながら改革を進めていく」と述べた。

 関連法は労働基準法や労働契約法など8本の法律から構成。残業上限は原則として「月45時間かつ年360時間」と明記した。繁忙期など特別な事情がある場合も年720時間、月100時間未満(休日労働を含む)、2~6カ月の平均で80時間以内(同)にして、違反企業に罰則を科す。

 同一労働同一賃金は、同じ内容の仕事は賃金や休暇などを同じにするよう企業に義務付ける。

 高プロは、野党が「労働時間が際限なく広がり、過労死が増える」と、削除を求めてきた。政府は適用対象を年収1075万円以上の研究職やコンサルタントに限り、健康に配慮し年104日の休日取得を義務付ける措置も設けたと強調した。

 政府は、一定時間を働いたと見なす「裁量労働制」の適用業種拡大も盛り込もうとしたが、厚労省の労働時間調査に不適切なデータが多数見つかり断念した。

 残業上限規制は大企業が2019年4月、中小企業が20年4月、同一労働同一賃金は大企業と派遣会社が20年4月、派遣会社を除く中小企業が21年4月から適用される。高プロは19年4月施行。