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【愛知】働き方改革推進 中小企業を支援

2018/05/30

愛知労働局 人材確保優先的に、融資も

 雇用情勢の改善とともに人手不足が顕著になる中、愛知労働局は6月から、「働き方改革」に取り組む企業の人材確保を優先的に支援するプログラムを導入する。「人手不足で働き方改革どころではない」と悲鳴を上げる中小企業をハローワークや外部機関と連携して支え、身の丈に合った改革へと導く仕組みの構築を目指す。(谷悠己)

 ◇ ◇ ◇

 「一口に働き方改革と言っても、手法はさまざま。女性や高齢者を含めた全員参加型で、労働力人口の減少に立ち向かいたい」

 高崎真一局長はプログラムの狙いをこう話す。4月の就任直後から、全国上位の有効求人倍率の裏側で人手不足に悩む企業の声を聞き、最優先課題として対応策を練ってきたという。

 4本柱で構成するプログラムの一つは「働き方改革応援レシピ」。多くの企業と接するハローワークや労働基準監督署の担当者が、課題を抱えながら改革に取り組んだ企業の事例を聞き取り、4こま漫画風に仕立てたレシピ(説明書)を他企業に配って広めていく。

 レシピによって課題を整理し、働き方改革に取り組むことを決めた企業に対しては、製造、運輸、建設、介護・看護など業界別の専門家に労働局が委嘱した「人材確保対策アドバイザー」が、専門的な見地から無料で助言する。

 働き方改革を始めた企業は「人材確保特別サービス」も受けられる。改革への取り組み度合いに応じて星を与える認定制度を設け、「星一つ」なら求人票や情報誌での周知、「星二つ」でハローワーク庁舎内にPR用の掲示物を設置、「星三つ」を獲得した企業には個別面接会を企画する。

 資金面では、名古屋銀行が改革推進企業向けに融資利率を下げた「人財活躍サポートローン」を設けた。労働局と包括連携協定を結んでいる他の金融機関でも特別融資を検討している。

 プログラム名は「働き方改革から人材確保へ」を意味する英文の頭文字と「愛知」を合わせ「AICHI WISH(アイチ・ウィッシュ)」と命名。高崎局長は「関係機関を増やし、愛知独自の取り組みとして広げていきたい」と話す。

愛知労働局が導入する「働き方改革応援レシピ」のサンプル
愛知労働局が導入する「働き方改革応援レシピ」のサンプル
「AICHI WISH」のロゴマーク
「AICHI WISH」のロゴマーク