2018/04/23
大阪・泉南(せんなん)アスベスト(石綿)国家賠償請求訴訟を追ったドキュメンタリー映画「ニッポン国VS泉南石綿(いしわた)村」の舞台あいさつが22日、名古屋市千種区の名古屋シネマテークであり、原一男監督(72)や映画に登場した原告、支援者らが登壇した。
肺がんや中皮腫を発症した工場の元労働者と家族が2006年、「国が危険性を知りながら対策を怠った」と損害賠償を求め提訴。14年、最高裁が国の責任を認め、原告が勝訴した。映画は原告団の人間模様や裁判闘争の八年にわたる記録。
原監督は「見ていただきありがとう。今日は原告団の皆さんが主役です」と礼を述べ、マイクを譲った。
原告団の1人、佐藤美代子さん(73)は夫健一さんを64歳で亡くした。最高裁は1958~71年に工場で働いた人に限定して国の責任を認めたが、健一さんは72年から働き、肺がんを発症。美代子さんは「仕事を誇りに思って働いて、苦しんで死んだ。なんでやねん。怒りでいっぱい」と涙ながらに内心を吐露した。
夫暁(さとる)さんを石綿による中皮腫で亡くした日進市の宇田川かほるさん(70)も来場し「石綿疾病は誰がなってもおかしくない病気。ひとごとではない」と客席から訴えた。
上映は5月11日まで。
(問)名古屋シネマテーク=052(733)3959
(塚田真裕)
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