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【社会】採用「前年以上」76%中部主要企業 来春も売り手市場

2018/04/04

 中日新聞社は、2019年春の新卒採用や雇用状況について、中部地方の主要企業143社にアンケートを実施した。回答を得た134社のうち、4分の3以上が18年春実績より上回る、または同水準の採用を見込んだ。景気回復に伴う好業績もあって採用意欲の高さが目立つ一方、人手不足については4割以上の企業が深刻化していると回答。学生に有利な「売り手市場」が続きそうだ。

 採用者数を「増やす」と答えた企業は29・9%で昨年調査に比べて2・4ポイント少なかったものの、「同水準」は4・5ポイント多い47・0%だった。合わせると76・9%と、昨年調査の74・8%を上回った。前年実績以上を見込む企業が七割を超えるのは五年連続で、高水準の採用数が続いている。

 一方、「減らす」としたのは6・7%で、2・7ポイント減だった。理由は定年退職者の減少に伴う調整や、前年に人手確保のために計画以上の人数を採用した反動などだった。16・4%が「未定」とした。

 業種別では、製造業(68社)で12ポイント増の40・6%が採用を増やし、45・6%が同水準とした。世界的な好景気などを背景に、採用増の理由に「増産対応」「事業拡大」「開発力強化」を挙げる企業が目立った。

 非製造業(66社)は「増やす」が前年から16・2ポイント減の18・2%。「同水準」の48・5%と合わせ、前年以上の採用数を見込むのは66・7%だった。個人消費の伸び悩みなどをにらみ、製造業と比べると、採用のさらなる拡大には慎重な企業が多いようだ。

 人手不足は58社が深刻化していると回答。対策に「中途採用」や「女性の積極活用」を挙げた企業が多かった。アンケートは2月下旬から実施し、3月下旬までに回答のあった企業について集計した。