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【地域経済】中小 従業員還元が最多 東海4県利益配分先

2018/03/13

人手確保のため賃上げ

 東海財務局が12日発表した東海四県(愛知、岐阜、三重、静岡)の2018年1~3月期の法人企業景気予測調査によると、人手が「不足」と答えた企業の割合から「過剰」を引いた従業員数の判断指数(BSI)は全産業で35・3となり、過去最高だった前期(17年10~12月期)の29・3を更新した。

 規模別では中小が40・5、中堅が38・7、大企業が25・6。人手不足感が強い中小企業では、17年度の利益配分先として「従業員への還元」が3年ぶりに最多となり、人手確保のために賃上げを迫られている状況が浮かんだ。

 毎年1~3月期に「今年度の利益配分スタンス」(3つまで回答)を聞いており、中小では「従業員への還元」を選んだ割合が58・0%と前年から7・8ポイント上昇。「内部留保」は51・9%、「設備投資」は51・3%だった。

 大企業は設備投資が73・5%で最も多く、株主への還元、内部留保が続いた。中堅は設備投資、内部留保、従業員への還元の順に多かった。

 寺田達史局長は「賃上げによる経済の好循環はいいが、中小企業に負担がかかっている部分がある」と懸念し、「生産性の向上を通じて人手不足などを解消し、好況を持続してほしい」と求めた。

 全産業の景況判断指数は1・1で、3期連続のプラス。3年9カ月ぶりの高水準だった前期の5・1から悪化したが、プラスを維持しており、寺田局長は「引き続き高水準で推移している」と説明した。