中日新聞CHUNICHI WEB

就職・転職ニュース

  • 無料会員登録
  • マイページ

【愛知】けんせつ小町 男職場を改革

2018/01/27

女性に利、先端技術研修

 「男の職場」というイメージが強い建設業界を、女性が活躍できる職場に変えていこうと、県内の女性建設技術者らでつくる「けんせつ小町・チーム愛」のメンバーが研修を重ねている。ICT(情報通信技術)を活用した最先端技術も習得し、業界に女性の力を生かした新風を吹き込もうとしている。(中尾吟)

 ◇ ◇ ◇

 「ICTを活用すれば、力仕事や危険箇所での作業は減り、女性が活躍しやすくなる。時間や場所の自由が利くようになり、働き方の選択肢が広まる」

 26日、名古屋市港区であったチームの勉強会。参加したメンバー23人が、建設作業にICTを積極活用している企業の女性技術者の話に聞き入った。ドローン(小型無人機)を実際に飛ばし、測量する作業工程も学んだ。

 チームが活動を始めたのは2015年9月。日本建設業連合会が業界の女性技術者・技能労働者に「けんせつ小町」の愛称を付け、就労を促す取り組みを始めたことを受け、県内でも活動を広めようと結成した。

 結成時20人ほどだったメンバーは年々増加。今年1月時点では、建設会社やコンサルタント企業などの37人が所属している。

 だが、建設業界はまだまだ女性が進出できていない。国の調査によると、建設業の労働者に占める女性の割合は、16年時点で14・9%。多くは事務職員で、技術系の労働者はわずか1・8%だった。全産業の女性比率が43・5%を占めているのに対し、大きな開きがある。

 一方で、建設業界は労働者の高齢化が著しい。深刻な人手不足に陥るとみられ、女性ら新たな働き手の登用は急務だ。また、先端技術を使って女性が働きやすい環境を整えることは、大幅な作業の効率化にもつながり、業界全体にとってもメリットが大きい。

 勉強会に4人の女性社員が参加した中部土木(名古屋市名東区)の堀江真由美さん(46)は「社でもドローンを導入したが、実践にはなかなか至っていない。具体的な活用の仕方を学べたので、現場で飛ばせるよう、新しい技術を広めていきたい」と話した。

ドローンを使った測量技術を学ぶ参加者=名古屋市港区で
ドローンを使った測量技術を学ぶ参加者=名古屋市港区で