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【愛知】長期治療と仕事の両立支援 会社に相談窓口半数以下

2018/01/16

 県内に本社や本店のある会社のうち、病気やけがで長期に休んだ従業員がいる会社は八割を超える一方、治療と仕事の両立支援のための相談窓口がある会社は半数以下にとどまることが、愛知労働局の調査で分かった。闘病しながら働く人を支えるため労働局や県、県医師会などでつくる「あいち地域両立支援推進チーム」の15日の会合で報告された。

 アンケートは昨年秋、従業員50人未満から10000人以上まで1924社に実施。907社から有効回答を得た。

 2014年以降に病気やけがで2週間以上休んだ従業員がいたのは739社と81・4%に上り、退職者がいたのは431社で47・5%だった。休業の原因はメンタル疾患が最多の417件、がんが242件、事故での身体障害が94件と続いた。

 両立支援に経営上のメリットを感じる会社は82%だった一方、社内外に相談窓口のない会社は55%に上った。休職や復職にあたって面談を実施する例は多いものの、医療機関と連携をした例は少なかった。

 苦慮した点は、復職の可否判断、代替要員の確保や体調に見合った仕事の提供。本人に病状や見通しを聞きづらいとの悩みも目立った。プライバシーの問題で主治医から情報を得られず、復職にあたっては規模の小さい会社ほど本人の意向を重視する傾向にあった。

 会合で愛知産業保健総合支援センターの山本祥喜副所長は「企業としてはこれ以上何をやればという思いがある。両立支援の優先順位を高めてもらうには、企業に求めることを明確に訴える必要がある」と発言。主治医と産業医の連携を指摘する声もあった。

 愛知労働局の小城英樹労働基準部長は「外部の相談機関の周知や両立支援コーディネーターも含めた体制整備をしたい」と語った。 (小椋由紀子)