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【愛知】顧問 長時間勤務の要因 日本部活動学会、改革を議論

2017/12/27

 「ブラック部活動」と呼ばれるなど、教員の長時間労働の一因とされる部活動。27日に名古屋市で開かれた「日本部活動学会」設立後の研究集会では、参加者が改革の必要性を熱く議論した。

 あいち県民教育研究所の中村茂喜さんは、名古屋市立中学校の長時間勤務の実態を紹介。月平均の残業時間が80時間だった昨年度の新任教員65人のデータを示し、「ほぼ全員が部活動の顧問。休憩時間もろくに取れない上に、自宅への持ち帰り仕事もあるはずだ」と指摘した。ある学校の休日の指導実績では、女子ハンドボール部顧問が年間98日、女子バスケ部顧問は同85日と過熱化の跡がうかがえた。

 教育研究家の妹尾昌俊さんは、指導が過熱しがちな「部活大好き教員」の意識と行動を変えることが大事だと主張。「あなたの体が心配。労働基準法は守ろう。本当は生徒のけがのリスクを高めているよ」という考え方を共有していこうと提案した。

 教員の過労問題の訴訟に関わった経験のある望月浩一郎弁護士は、長時間練習を疑問視。2時間以内で集中して練習する環境づくりを推奨し、「集中力、科学的根拠を欠いた長時間練習で競技力が向上しますか?」と呼び掛けた。(那須政治、佐橋大)

部活動の改善案を発表する参加者ら=名古屋市熱田区の労働会館で
部活動の改善案を発表する参加者ら=名古屋市熱田区の労働会館で