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【経済】人手不足バブル期並み 日銀短観高水準 採用難 中小に悪影響

2017/12/16

 日銀が15日発表した12月の企業短期経済観測調査(短観)は、代表的な指標となる大企業製造業の景況感が11年ぶりの高水準となった。景況感改善の裾野は中小企業にまで広がる一方、業種や規模を問わず人手不足が目立つ。従業員などの過不足を示す雇用人員判断指数は全体でマイナス31とバブル経済末期の1992年2月以来、26年ぶりの低水準。中小企業はより厳しい状況で、採用難が事業の運営に悪影響を及ぼし始めている。

 雇用指数は「過剰」と答えた企業の割合から「不足」と答えた企業の割合を差し引いた値。前回の九月調査と比べ、規模にかかわらず製造業や非製造業いずれも不足方向となった。全体では3ポイント下落し、中小企業は2ポイント下落のマイナス34で、91年1月(マイナス38)以来の低水準だった。

 深刻な人手不足は、企業の景況感に影響を及ぼしている。大企業の宿泊・飲食サービスでは人手不足や人件費上昇が響いて6ポイント悪化し、学習塾など対個人サービスも11ポイント下落した。

 人手不足は今後も続くことが予想され、先行きの雇用指数は全体で2ポイント、中小企業で5ポイントの下落をそれぞれ見込む。

 このため企業の2018年度の新卒採用計画は全体で前年度比8・5%増と「12月調査では高い水準」(日銀)となった。