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【社会】大卒内定率75% 過去最高 10月、文科省調べ

2017/11/18

好況、就活早期化で

 来春卒業を予定している大学生の10月1日時点の就職内定率は前年同期比4・0ポイント増の75・2%で、調査が始まった1996年以降で最高となったことが、文部科学省の調査で分かった。文科省は企業の人材需要が逼迫(ひっぱく)して採用意欲が高まるとともに、就職活動の早期化の影響もあったとみている。

 ◇ ◇ ◇

 今春卒業した大学生の4月1日時点の就職率は、過去最高の97・6%だった。最終的には今春同様、高い水準の就職率となることが見込まれる。

 一方、厚生労働省が明らかにした高校生の九月末現在の内定率は62・7%で、前年同期比2・3ポイント増。大学生が内定を早めに決めてしまう影響で、高卒にも求人を広げる動きが増えたことなどが要因という。

 大学生の就職活動を巡っては昨年、企業の採用面接の解禁が8月から6月に前倒しされた。ただ、大学などでつくる就職問題懇談会の調査によると、実際には6割近い企業が6月より前から面接などを始めていることが明らかになっている。

 こうした企業側の動きについて文科省は「早い段階での内定獲得につながっている」と指摘。一方で「学生にとっては就活を早く終えられるが、学業にしわ寄せが来る。企業側には解禁ルールの意義を理解してもらいたい」とも話している。

 大学生の就職希望者約44万7500人のうち、内定者は約33万6800人。まだ内定を得ていないのは約11万人と推計され、文科省は厚労省とも連携し大学やハローワークを通じて支援を続ける。

 地域別の大学生の内定率は、北海道・東北72・5%(4・0ポイント増)、関東79・8%(0・1ポイント増)、中部72・0%(5・7ポイント増)、近畿78・7%(3・1ポイント増)、中国・四国58・8%(13・8ポイント増)、九州68・7%(7・1ポイント増)で、全地域で前年度より上昇した。

 中部六県の高校生の内定率は、愛知74・1%(0・4ポイント増)、岐阜61・7%(0・3ポイント増)、三重77・4%(2・8ポイント増)、長野65・5%(4・0ポイント増)、福井80・6%(2・0ポイント増)、滋賀69・8%(3・8ポイント増)だった。

 内定率は全国の国公私立大62校の4770人を抽出した。高校生分はハローワークや学校を通じて求職した生徒が対象。