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【地域経済】難病の子・家族に付き添い スギ薬局 社員研修、思いやり育む

2017/10/19

 スギ薬局(愛知県大府市)が、難病の子どもがいる家族の旅行に社員が付き添う研修に取り組んでいる。テーマパークで子どもたちと遊んだり、両親の困りごとを手助けしたりして、接客に生かせるマインドを養いたい考えだ。(竹田弘毅)

 ◇ ◇ ◇

 「代わりますよ」。大阪市内のテーマパークで9月中旬、スギ薬局の男性社員が同行する母親に声を掛け、女児の乗った子ども用の車いすを優しく押した。

 若手の薬剤師や管理栄養士ら12人が参加。小児がんを患った女児(4つ)と、脳性まひなどの症状がある女児(9つ)のいる二家族と園内を巡った。最初は遠慮がちに子どもに話し掛けるなど社員に戸惑いも目立ったが、雨でぬれないよう傘を差したり、一緒に遊んだりするうちに徐々に打ち解けていった。

 研修は4年目で、これまで300人以上が参加。難病の子がいる家庭に旅行の機会を提供する公益社団法人「難病の子どもとその家族へ夢を」(東京)の協力で行う。障害のある子やその家族に接することで、先入観を持たずに考え、相手の立場を思いやった行動が取れるようにするのが目的だ。

 買い物の時は子どもとカートで両手がふさがり、会計が大変だと母親から打ち明けられた店舗勤務の女性(23)は「レジで購入品をカートに乗せてあげるなど、少しの手助けが支えになると分かった」と話す。本社勤務の男性(31)は「車いすの人に対して過剰に身構えていたが、自然に手を差し伸べればいいと感じた」と語った。