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【岐阜】「釉薬職人の技に感動」 名芸大生が土岐の企業見学

2017/10/11

 名古屋芸術大(愛知県北名古屋市)でセラミックや商品デザインを学んでいる学生9人が10日、ものづくりの現場を知ろうと、土岐市内の窯業関連メーカー2社を見学した。将来の職業選択に役立ててもらおうと市美濃焼振興室が企画し、今年6月に続いて2回目。

 前回は陶磁器メーカー2社で、食器など消費者に直結する商品の生産工程を見学したが、今回は周辺業界に光を当て、表面処理にかかわる釉薬(ゆうやく)のメーカー「カクジン」(駄知町)と、大量生産の鍵となる石こう型などのメーカー「サイキ製型」(肥田浅野梅ノ木町)が選ばれた。

 このうちカクジン社では、釉薬を調合する工程を見学し、水野清司社長から釉薬開発を巡る苦労話を聞いた。同社の製品は名古屋駅のJRセントラルタワーズや土岐市文化プラザなどでも使われており「低い建物は地面に近い色に、高い建物は空に近い色にする」「30回目で成功したとしても、29回の失敗した分を残しておくと、後々生かせる」といった言葉に、何度もうなずいていた。

 社員の中には同大卒業生もおり、大学で学んだことが役立つ場面や仕事のやりがいを聞く場面もあった。

 三年の新実栞菜(かんな)さん(21)は「授業で使っている釉薬がどうやって作られているのか興味があった。要望に応えて色を作り出せるプロの技に感動した」と話していた。

 サイキ製型では型の制作現場を見学した。市陶磁器試験場に場所を移し、地元の陶磁器業界で働く若者たちに話を聞く時間も設けられた。

 (斎藤航輝)