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【岐阜】男性向け家事セミナー 岐阜市、来年1月から

2017/09/07

 男性が家事に対する知識や意欲を身につけることで女性の社会進出につなげようと、岐阜市は来年1月、料理セミナーなどを通じて男性に家事を教える新規事業「男の家事力」を始める。市によると県内自治体では初の取り組みになるという。

 5日開会の市議会9月定例会に関連経費約500万円を盛り込んだ一般会計補正予算案を上程した。事業費のうち半額は内閣府が公募した助成金「地域女性活躍推進交付金」を充てる。

 2016年度に市が18歳以上の市民を対象として実施した意識調査では、掃除、洗濯、食事の支度、食事後の片付けの「家庭内の主な担い手」について、自分だと回答した女性は、いずれも七割以上となった。市の男女共生・生きがい推進課は「男女間で家事の分担がうまくできていない」と分析。女性が一層、社会で活躍できるよう、施策の構想を練ってきた。

 予算案が可決されれば、市は17年1月に、家事分担の大切さを伝える「キックオフイベント」(仮称)を開催。その後、2、3月に1回ずつ、約20人が参加できる料理セミナー(材料代のみ参加費を徴収)を行う。

 食事や洗濯、裁縫など家事の基本的な技術を伝える無料の冊子作りにも取り組む。7000部を作製し、市内の公民館、図書館などに置き、企業にも配る。

 「料理編」「洗濯編」といった分野ごとに3分ほどの動画も制作。動画サイト「ユーチューブ」で配信することも考えている。

 女性の社会進出を支援するために市はこれまで、女性センター(同市橋本町)で女性の社会進出を支援したり、男性の育児講座を開いたりするなどしてきた。だが、男性を対象に家事全般を教える機会はなかったという。

 同課の担当者は「家族の中で家事を押しつけることなく、うまく分担できるきっかけになれば。家事について話し合う機会が増えれば、家族の仲も円満になるのでは」と話している。

 (田井勇輝)