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【地域経済】デンソー 働き方改革続々

2017/09/05

「社内特区」導入 裁量労働の手当拡充

 自動運転や電動化をはじめ、急速な勢いで変革の波が押し寄せる自動車業界。デンソーが半年で最大8400円の「応援金」を支給して従業員の健康促進などを支援するのは、「従来の延長線上でない働き方改革に挑戦する」(人事部)ことを意味する。そうすることで個々の底上げを促し、独ボッシュ、コンチネンタルなど自動車部品のライバルとの激化する競争に打ち勝つ狙いがある。

 同社は4年前から働き方改革に着手し、「モーニングシフト」と称する朝型勤務や育児・介護時の終日在宅勤務制度などを導入。その結果、2013年度に残業時間が年間540時間を超える一般社員が12%だったのが、16年度は6・5%とほぼ半減した。

 17年度からは、司令塔となる「働き方改革室」を設置。さらに、働いた時間よりも成果が重視される「裁量労働制」を選択した従業員へのみなし残業代も月20時間分から30時間分に拡充した。裁量労働制の対象者約4000人のうち16年度に約800人だった選択者は、17年度に1・5倍へと増える見込みだ。

 今秋からは社内で「働き方改革チャレンジ特区」を導入する。核となる勤務時間をなくす「コアタイムレス」や、終業時間と次の始業時間に一定の時間を空ける「勤務間インターバル」といった取り組みを、少数の部署でモデル的に試行する。

 デンソー労組の幹部は会社側の姿勢に一定の理解を示し、「労使で一緒に取り組みを進めたい」と話す。(相馬敬)