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【経済】平均給与 7年連続増加 上場企業 0.65%、採用増え伸び鈍化

2017/08/12

 上場企業の2017年3月期の平均年間給与が前期比0・65%増の628万1000円となり、7年連続で増加したことが東京商工リサーチの調査で分かった。ただ、伸び率は前期(1・25%)から大幅に鈍化し、4年ぶりに1%を割り込むなど賃上げの力強さを欠いた。

 東京商工リサーチが2172社の有価証券報告書を基に算出した。平均給与が増えた企業は1312社(60・4%)で前期より36社少ない。減少したのは八百四十四社(38・8%)、横ばいは16社(0・7%)だった。

 業種別では、電気・ガス業が3・88%増の690万1000円と急回復。東日本大震災後の原発停止による大手電力の賞与カットなどで落ち込んでいた。建設業は3・10%増の711万8000円。20年東京五輪・パラリンピックに向けた投資が活発な大手ゼネコンの業績が好調だった。サービス業は0・79%増、小売業は0・40%増だった。

 一方で、不動産業は2・06%減、日銀のマイナス金利政策の影響を受けた金融・保険業が1・81%減となった。

 従業員数でみると、1279社が前期より増加した。給与がマイナスだった844社のうち525社では従業員がプラスで、採用人数が増えたことも平均給与の伸びを抑えた要因だという。

 東京商工リサーチの担当者は「今後は人手不足の影響で小売業やサービス業もさらに賃金を上げざるを得ない状況になるだろう」と指摘した。