2017/08/10
県内の公立学校で2016年度、産休や育休などで休業した教員の代わりに、2千155人の「代替講師」が勤務していたことが分かった。15年度比8%増で、2千人を超えたのは初めて。代替講師は「教員人材銀行」などに登録されているが、登録者は年々、減り、県教委の人繰りは厳しくなっている。
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◆県教委、確保へ対策検討
県教委によると、公立の小中学校、高校、特別支援学校(小中学校は名古屋市立を除く)での産休や育休、病気休業に伴う代替講師は、06年の970人から、10年間で倍以上に増えた。
特に、育休を理由として休んだ教員の代わりを務める代替講師は、783人から1655人と、2・4倍になった。休める期間が長くなるなど、育休制度が充実し、利用者が増えたためという。
教員人材銀行は、休職による欠員に対応するため、公益財団法人「県教育・スポーツ振興財団」が運営する。
登録しているのは、大学などで教員免許は取ったものの、都道府県教委の教員採用試験には合格していない人たち。登録者は11年の3043人をピークに、16年度は2185人にまで減った。
いったん代替講師として採用された人は登録から外れる。需要が大きいために、登録者が減っている形だ。そもそも、教員を志す若者らが減っていることも背景にあるとみられる。
県教委教職員課によると、教員の休業により、授業が中止になったケースはない。しかし、人材銀行のみで代替講師を確保するのは難しくなっている。
各校の幹部らは、近隣校の代替講師が、休職者の復帰に伴って不要になる時期の情報などを共有し、人手確保に努める。非常勤講師を常勤に切り替えて、担当する授業数を増やしてもらうケースも多いという。
県教委は、ホームページで人材銀行への登録を呼び掛けている。教員採用試験の願書に「(不採用となっても)講師としての任用が可能か」を尋ねる欄を設け、「可能」な人は人材銀行とは別途、データベースで管理している。
今後、採用案内のパンフレットで、講師として教壇に立つ道もあることをPRするなど、人員確保に向けた対策を強化する。
(今村太郎)
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