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【社会】時間外労働に上限基準 建設業界が自主規制

2017/07/27

 建設会社でつくる日本建設業連合会(日建連)は26日、時間外労働に上限基準を自主的に設け会員企業に順守を求める方針を決めた。新国立競技場建設工事に従事していた建設会社社員の自殺を受けた措置。九月から試行的に実施する。

 日建連会長は、新国立工事の元請けである大成建設の山内隆司会長。山内氏は日建連の記者会見で建設会社社員の自殺に関し「背景に過重労働の問題があったとすれば遺憾。関係の皆さまにおわびする」と陳謝した。同様の事態が起こらないように「就労環境の改善に取り組む」と述べた。

 政府は、時間外労働を原則月45時間かつ年360時間とし、違反に罰則を科す計画をまとめ、労働基準法の改正を目指す。建設業への適用は施行から5年間猶予となったが、施行前から長時間労働を抑制する必要があると判断した。

 日建連は具体的な上限時間などの数値基準を今後詰める。段階的に強化して国が導入する基準に近づけていく方針だ。会員企業140社が対象になるが、会員以外の下請け企業などにも基準を守る取り組みを働きかける。