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【社会】教員の35%「育休取りにくい」

2017/06/06

全教調査 多忙、代替見つからず

 全日本教職員組合(全教)は5日、主に20~30代の教職員を対象に、妊娠、出産、子育てに関して聞いたアンケート結果を公表した。出産、育児経験がある教職員のうち、産休や育休などを取得しにくいと感じた人が35・1%に上り、そのうち八割近い人が理由に「多忙で休みづらい」と答えた。

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 アンケートは昨年6~11月に実施、23都道府県の705人が回答した。妊娠している同僚の教職員の体が危険だと感じたことが「ある」と答えた人は25・0%。理由を複数回答で聞くと「長時間勤務をしている」「職場を休みづらい」など業務の負担の大きさを挙げた人が多かった。妊娠、出産などに関してハラスメントを受けたことがある人は10・0%。「育児短時間勤務は周りに迷惑を掛けるから取らないで」「妊娠する時期を考えてほしい」などと言われたケースがあった。育児短時間勤務や妊娠中の勤務軽減など、産休、育休以外の制度を知らない教職員も多く、研修の充実を求める意見もあった。

 自由記述では「放課後や土日に部活動があり、妊娠して赤ちゃんが無事に育つのか心配」という将来への不安や「体育の代替教員や育休の代替教員が見つからない」と厳しい現状を訴える声が並んだ。全教は「教職員の定数を増やすほか、産休、育休を必ず取得できるように代替教員の配置を義務付けるなど、改善を求めることが必要だ」としている。