中日新聞CHUNICHI WEB

就職・転職ニュース

  • 無料会員登録
  • マイページ

【経済】係長級に裁量制、夜のみ勤務 トヨタ 新たな働き方

2017/03/18

「多様な選択肢」で競争力

 トヨタ自動車が社員の働き方改革に向けたさまざまな施策を打ち出している。2017年春闘では、係長級の組合員に一定の裁量労働を認める新制度の導入に向けて労働組合と議論を始めることを表明。在宅勤務の導入など、従来の施策と合わせ、働き方の選択肢をさらに増やそうとしている。

 今春闘の交渉で、豊田章男社長は「生き残りをかけて競争力を強化するには、働き方と意識の変革を成し遂げることが必要不可欠」と強調。会社側は労使で専門委員会を立ち上げ、約8000人いる係長級の総合職(事務職・技術職)を対象に、月80時間を上限に残業時間を本人の意思で決められる制度導入に向けて議論を始める方針を明らかにした。

 労組側は「きちんと休みが取れるセーフティーネットがあるかどうか、今後の議論で見極める」と、長時間労働につながらないよう慎重に検討する。

 トヨタは16年夏から、子育て世代のために総合職向けの在宅勤務を拡充。週1日2時間出社すれば、それ以外は終日自宅で仕事をすることができるようにした。

 工場で働く子育て世代の技能職向けには13年から、「昼のみ」勤務を可能とする制度を導入。今年1月からは「夜のみ」勤務も導入し、選択肢を広げた。このほか病児保育や、24時間保育サービスの導入を進めている。

 上田達郎常務役員は今春闘が妥結した15日の記者会見で「真のダイバーシティー(多様性)を目指すため、働きたいと積極的になれる形にしたい」と話した。(岸本拓也)