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【社会】残業、月100時間未満で決着 労使合意も過労死遺族は反発

2017/03/14

 政府が導入を進める罰則付きの残業規制について、安倍晋三首相は13日、連合の神津里季生(こうづりきお)会長と経団連の榊原定征(さだゆき)会長に、繁忙期の上限を「月100時間未満」とするよう要請した。労使は合意する方向で、焦点だった残業上限問題は首相裁定で事実上、決着した。政府は最長で年720時間とする上限を盛り込んだ働き方改革の実行計画を月内にまとめ、労働基準法改正に本格着手する。

 ◇ ◇ ◇

 管理監督者を除き、民間の企業や団体に勤める労働者の大半が対象。長時間労働が続く職場では、労使協定や勤務時間の見直しが迫られる。

 会談後、榊原氏は「過労死を起こさないための経営側の決意と受け止めてほしい」、神津氏は「第一歩にすぎない。これから過労死根絶を進めていく」と硬い表情で語り、苦渋の合意だったことを感じさせた。

 2015年に電通に入社した長女高橋まつりさん=当時(24)=を過労自殺で失った母幸美さん(54)が「納得できない。繁忙期であれば、命を落としてもいいのか」とのコメントを発表するなど、過労死遺族は強く反発している。

 繁忙期の上限を巡っては、「100時間未満」とする連合と「以下」とする経団連が対立。労使の合意文書でも「百時間を基準値とする」と、あいまいな表現にとどまった。首相要請について、榊原氏は「重く受け止める」と記者団に述べ、17日の政府の働き方改革実現会議で正式に回答する。

 残業規制案は、厚生労働省が目安としていた月45時間、年360時間を原則的な上限と規定。繁忙期に限り、特例で単月100時間未満まで認める。特例の延長分を含め、年720時間までしか認めない。

 政府は、上限の目安の対象となっていない運転手や建設作業員らも猶予期間を設けて規制対象とする方向で調整する。連合と経団連は、一定期間の休息を義務付ける勤務間インターバル制度導入の努力義務を企業に課す方向で一致した。

◆不退転で取り組む

 <経団連の榊原定征会長の話> 安倍晋三首相の意向を重く受け止め、持ち帰って検討する。大切なことは働き方改革を労使が協力して実現することであり、今回の改革は労働基準法の歴史の中でも画期的な大改革となる。経済活動への影響が懸念されるが、今までの制度は無制限に残業ができるため、過労死などの痛ましい出来事が起きている。これは何としてでも変えないといけない。労使合意は、不退転で取り組んでいくという経営側の強い決意と受け止めていただきたい。

◆第一歩にすぎない

 <連合の神津里季生会長の話> 月百時間まで働かせることができるというのは誤ったメッセージだ。原則的な上限である月45時間に近づけていくということを労使で合意している。残業時間の上限規制が入ることは労働基準法の歴史の中で大きなことだが、第一歩にすぎない。これから過労死、過労自殺根絶を進めていく。勤務間インターバル制度に関しては、すぐには導入できない企業もあることから努力義務とした。考えられる中では、最善の内容だ。

安倍首相との会談を終え、報道陣に囲まれる経団連の榊原定征会長(左)と連合の神津里季生会長=13日午後、首相官邸で(北村彰撮影)
安倍首相との会談を終え、報道陣に囲まれる経団連の榊原定征会長(左)と連合の神津里季生会長=13日午後、首相官邸で(北村彰撮影)