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【社会】求人条件変更 書面で明示 詐欺防止へ政府 企業に義務付け

2016/11/10

 厚生労働省は8日、ハローワークなどに出した求人票に記載した給与や勤務時間などの労働条件を変更した企業に対し、応募してきた労働者にその情報を明確に書面で示すように義務付ける方針を固めた。求人票の正確性を高め、労働者が条件変更を認識しやすくする。9日の労働政策審議会の部会に示す。

 厚労省は、劣悪な条件で若者らを働かせる「ブラック企業」などが実際の待遇と異なる好条件を示して労働者をおびき寄せる「求人詐欺」の防止に向け規制を強化する。来年の通常国会に職業安定法の改正案を提出したい考えだ。

 改正案には、ハローワークや大学を含む職業紹介の事業者に対してうその求人を掲載させた企業を罰則の対象とすることを盛り込む方針で、労働条件変更の明示義務化もその一環だ。

 求人時点で働く場所が決まっていなかったり、月額給与を「20万~25万円」などと幅を持たせて求人を出し採用内定後に確定したりした場合なども、労働者にはっきり書面で知らせるよう企業に課す。新聞や雑誌、インターネットサイトなどに求人広告を掲載する事業者には、実際の労働条件と異なる内容が含まれていた場合、正しい内容への変更や広告掲載の中止などの対応を求める。

 職業安定法は、労働条件を明示することを義務付けているが、求人票の内容と実際の労働条件が違うとの相談が後を絶たず、虚偽の求人を出した企業にも行政指導以上の罰則がなかったことが問題となっていた。