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【学生】就カツッ!/成績表も採用の判断材料に 企業が志望者に登録を促す

2016/07/05

 就職関連会社「大学成績センター」(東京)は、承諾を得た学生から成績や履修履歴を集めて共通の書式にまとめて、学生が採用試験を受けた企業に提出するサービスをしている。

 多くの学生から成績を集めて分析することで、企業の採用試験を受ける学生の個別の実力をまとめて企業側に示せる利点がある。

 会社が創設された2014年は利用する企業は36社だったが、今年は約170社に増えた。学生を面接する際に学業成績などを参考に多角的に評価できるため、利用する企業が増えているという。

 利用する企業は、採用試験を受ける学生に、大学成績センターへの成績の登録を促している。現在、文系学部の学生を中心に8万600人が登録している。

 学生は履修した科目名や優、良、可などの成績をインターネットで入力。センターは大学ごとに教科の平均を出し、学生が何の科目をどれだけ頑張ったかを分かりやすくまとめ、企業に示す。

 センターの辻太一朗社長(56)は「面接では、学生からサークルや部活動、アルバイトの話題は多く聞かれるが、学業は話題に上りにくい。成績表は、学生の本当の姿を見抜くのに役立つ」と言う。さらに「企業は内定後に大学が発行する成績表の提出を求めるので、成績の登録の際にうそを言う学生はいない。もしうそをついたら、企業は採用を取り消す」と話している。

 利用している日本たばこ産業(JT)の広報担当者は「業務ではやりたくない仕事もある。必修科目の成績を参考に、どんな時も真面目に向き合えるのかを知るきっかけになる」と説明する。

 一方、こうした動きに複雑な思いの学生もいる。就活中の愛知県尾張地方の私立大4年の女性(21)は「大学の成績と、社会で役に立つかは別だと思う。学生は勉強も大切だけど、サークルやアルバイトも重視しているので、総合的に見てほしい」と話す。