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【学生】就カツ!/大学設置の東京事務所 首都圏目指す活動拠点に

2016/05/24

 地元志向が強いともいわれる中部地方の学生だが、首都圏の企業を目指す人も多い。愛知大は、東京で就活する学生のために都内に事務所を設け、就活の足場として役立てている。

 愛知大が2007年から東京都千代田区の霞が関コモンゲート西館37階に設けている「東京霞が関オフィス」。首都圏で就活する学生が情報を集めたり、東京の企業で活躍する卒業生に会ったりすることができ、訪れる学生が年々増えている。

 13年度の利用者は延べ208人だったが、昨年度は449人と倍以上に増えた。オフィス所長の夏目益良(ますよし)さん(66)は「東海地方より首都圏の方が有力企業が多い化粧品や食品、文具、住宅設備などの業種を目指す学生が増えているため」と分析する。

 首都圏で就活する学生が困るのが、拠点とする場所の確保。オフィスがあると、都内の企業を訪問する前に、エントリーシートなどの書類を見直したり、他の学生と情報交換したりできる。学生の利便性を考えてオフィスを開設した。利用している文学部4年の女子学生(21)は「東京で就活すると、周りは首都圏の大学の学生が多く、気後れする。東京のオフィスが背中を押してくれるので、心強い」と張り切る。

 スタッフは夏目さんと女性職員の2人。夏目さんは大学OBで34年間、百貨店で働いた経験を買われて11年に愛知大に転職した。東京の百貨店に勤めていた時代に営業の責任者として食品や化粧品などの企業と折衝し、商品の仕入れを担当した。そのときの人脈を生かし、都内の企業を回り、採用情報を集めている。

 夏目さんは「東京の企業の総合職を目指す意欲ある女子学生が多い。内定を勝ち取る人も増えている」と手応えを話している。

 中部地方では他に日本福祉大などが東京の事務所を就活する学生のために利用できるようにしている。

学生の相談に応じる夏目益良所長(左奥)=東京都千代田区の愛知大東京霞が関オフィスで
学生の相談に応じる夏目益良所長(左奥)=東京都千代田区の愛知大東京霞が関オフィスで