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【愛知】正社員、8年ぶり1倍超 県内15年度求人倍率

2016/05/10

 愛知労働局によると、2015年度の県内の有効求人倍率は14年度比0・03ポイント増の1・65倍で、6年連続で前年度を上回った。なかでも正社員の求人倍率は1・06倍となり、8年ぶりに1倍を超えた。景気回復感を受け、非正社員から正社員に切り替えて「人材確保」を図ろうとする採用動向がうかがえる。

 有効求人倍率は、仕事を求める一人当たりへの求人の割合。15年度の新規求人数は、正社員が27万4千590人で14年度と比べて5・1%増えた。一方で、非正社員は34万3千477人で7・2%減少した。

 業種別の求人数は、「宿泊・飲食サービス業」が14年度比16・3%増、「介護福祉業」が10%増、「卸売り・小売業」が3・9%増。名古屋市内でのホテル開業や、名駅前での大型商業ビルの開業が相次ぎ、採用意欲が旺盛だった。

 製造業は1・1%減で、藤沢勝博局長は「人手不足感は弱まっておらず、年間を通じて緩やかな改善が続いた」と説明した。

 景気回復や人手不足の流れは、新規学卒者の就職活動にも反映された。

 愛知労働局によると、3月に卒業した高校生の就職率は99・7%(前年比0・2ポイント増)に上り、統計のある1992年以降で過去最高になった。県内の基幹産業である製造業で求人が14年度より2割伸びた。

 県のまとめでは、大学・短大生の就職率も96・9%(前年比0・4%増)で五年連続の上昇。リーマン・ショック前の2007年に次ぐ過去2番目の高水準だった。

 熊本地震や三菱自動車の不正問題など、長期的な雇用の不安要素もある。三菱は岡崎市に製造拠点があり、藤沢局長は「今のところ下請け企業や派遣労働者の雇用への影響はないが、引き続き慎重に見ていく」と述べた。

(奥田哲平)