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【社会】介護休業 3分割可能に 関連法成立 育休は要件緩和

2016/03/30

 家族の介護を理由とする離職防止策を柱とする雇用保険関連法は29日、参院本会議で全会一致により可決、成立した。雇用保険を財源とする介護休業中の給付金は八月から賃金の40%から67%に引き上げられ、来年1月からは休業を3回に分けて取得できる。育児休業は派遣といった非正規労働者も取りやすくする。

 政府は「介護離職ゼロ」「希望出生率1・8」の実現を掲げており、介護、育児と仕事との両立支援を進める。ただ、介護保険や保育サービスの基盤となる人材の不足は大きな課題として残り、政府は5月にまとめる1億総活躍プランに対策を反映させる。

 93日間の介護休業は現行、家族1人につき原則1回しか取れない。3回まで分割を認めて使い勝手を良くする。また、年5日の介護休暇も半日単位で取れるようにする。

 育休の見直しは来年1月で、非正規で働く人の利用要件を緩和。さらに、養子縁組を希望する里親も対象に加えるほか、6歳未満の子を実子として引き取る「特別養子縁組」の場合は、縁組が成立するまでの試験養育中も育休を取れるようにする。

 妊娠や出産、育休を理由とする嫌がらせ「マタニティーハラスメント」対策を強化し、相談窓口の設置や上司、同僚による嫌がらせの防止策を講じることを企業に義務付ける。

 労使で折半する雇用保険料は現行、賃金の1%。来月から0・8%に下げられ、年収400万円の会社員の負担は4000円減って年1万6000円になる。65歳以上で就職した人でも雇用保険への新規加入を来年1月から認め、失業手当や介護休業の給付金を受け取れるようにして、高齢者の就労を促す。