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【岐阜】「介護職員初任者研修」取得 一部費用 県が助成

2015/11/20

年内にも 人手不足解消狙う

 介護業界の人手不足が深刻化するなか、県は年内にも、訪問介護の資格の一種「介護職員初任者研修」の一部費用の助成を始める。取得すれば、訪問先で入浴や食事、排せつなどの世話ができるようになることから、金銭面の負担を和らげて、資格取得者を増やす狙いがある。(安部伸吾)

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 介護職員初任者研修は、旧・ホームヘルパー2級にあたる資格。取得のためには、県が指定した社会福祉法人などが実施する計130時間の講義を受け、試験に合格する必要がある。取得者には、月給を2万円程度上乗せする事業者が多いという。

 訪問介護の資格には、他に国が認定する「介護福祉士」もあり、こちらを取得すれば現場で指導的な役割を担えるが、450時間の講義の受講や、3年以上の実務経験が必要になる。比較的取得しやすい介護職員初任者研修の資格は、介護の仕事を始めた人たちが最初に目指すとされる。厚生労働省によると、2013年度で全国の介護職員の48%が取得している。

 講義の受講料は事業者によって異なるが、8万~二十20万円とされる。このうち、県は最大8万円を負担する。医療や介護での自治体の取り組みを助成する目的で、国が今秋に創設した交付金を財源とする。

 岐阜労働局によると、県内の介護業界で、求職者1人に対する求人数を示す14年度の有効求人倍率(年間平均)は3・43倍。過去10年で最も高く、リーマン・ショック後の09年度(1・75倍)の約2倍となっている。背景には、09年度以降は求人数が増え続けているのにもかかわらず、求職者数はほぼ横ばいにとどまっていることがある。

 県は、学生など向けの事業者合同採用説明会や、介護現場で働く若手の悩みを違う職場の先輩が聞く「学習会」なども開催し、介護の現場の人手確保に努めている。

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◆県内介護職員対象に学習会
◆来月、岐阜で

 県は、県内で働く介護職員を対象にした学習会「県介護のプロスキルアップセミナー」を、12月16日午後1時から岐阜市学園町のぎふ清流文化プラザで開く。

 認知症の人の介護方法を研究している東京都健康長寿医療センター研究所の伊東美緒研究員が基調講演。その後、「入浴」「食事」「排せつ」の3つのグループに分かれ、意見交換する。

 参加無料で、資格の有無は問わない。前日までの予約が望ましいが、なくても参加できる。(問)介護労働安定センター岐阜支所=058(264)6846(安部伸吾)