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【地域経済】女性の起業お手伝い 愛知の士業グループ 会計処理など助言

2015/09/04

 愛知県内で活動する女性の税理士や弁護士らでつくるグループ「からふる 女性応援士隊」が女性の起業支援に取り組んでいる。創業を目指す女性向けの相談会などを開き、これまでに名古屋市内の女性2人が飲食店の開業にこぎ着けた。専門のノウハウを持つ女性たちの手で、女性起業家の輪を広げようとしている。(石原猛)

 からふるは「士業」と呼ばれる税理士や司法書士、公認会計士らを中心とする30~40代の女性八人が昨年2月に結成。日本政策金融公庫名古屋支店やあいち男女共同参画財団と連携して、税務や労務、融資などに関する相談会を開いたり、開業後の経営相談に応じたりしている。

 元パティシエの元田真樹さん(28)は八月下旬、名古屋市熱田区にカフェ「BERING PLANT(ベーリングプラント)」を開いた。元田さんはバリスタの大会の審査員資格を持つなど経験が豊富で、豆にこだわって自ら一杯ずついれるコーヒーが自慢だ。

 元田さんは自分の店を持ちたいとして、開業資金の融資を依頼した日本政策金融公庫の紹介で、からふるなどの相談会に参加。それまでは自力で起業に必要な知識を調べていたが「日々の会計処理の方法を丁寧に助言してもらい、とても役に立った」と振り返る。

 同じく支援を受けた主婦の松田亮子さん(57)も「相談しやすかった」といい、同市中区にフライドポテト専門店「PICCOLINA(ピッコリーナ)」を三月に開いた。年内には同市天白区の女性も地元にケーキ中心のカフェを開業する予定だ。

 からふるの代表で税理士の川村美香さん(42)は「同じ女性だからこそ、女性起業家の思いを受け止め、形にするお手伝いができる」と強調。日本政策金融公庫名古屋支店の福地誠支店長も「それぞれの得意分野を生かして起業家を発掘し、女性の活躍を後押ししたい」と話す。

8月に開業したカフェを切り盛りするオーナー兼店長の元田さん=名古屋市熱田区で
8月に開業したカフェを切り盛りするオーナー兼店長の元田さん=名古屋市熱田区で