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【愛知】愛大生中国で就業体験 上海交流センター支援活動本格化

2015/08/20

 【上海=加藤直人】愛知大(佐藤元彦学長)の前身ともいえる東亜同文書院のあった上海に4月、愛大「上海交流センター」が設立され、現代中国学部の3年生が夏休みを利用して研修する「現地インターンシップ(就業体験)」事業を支援するなど活動を本格化させている。

 センター所長には愛大同窓会上海支部長の村瀬栄治さんが就任。東亜同文書院の時代に学生が中国各地を調査して研究成果を卒業論文にまとめた「大旅行」の伝統を受け継ぐ現代中国学部3年生の「現地調査研究」や、上海の日系企業の協力を得て実施する「現地インターンシップ」などの活動をバックアップしている。

 愛大は既に南開大に「天津事務所」を持つが、中国の大学内にある施設として活動に制約もあった。村瀬所長は新たに設立した上海センターの今後について「中国各地の提携大学や日系企業、地方自治体との連携や、中国における愛大の情報発信基地としての役割も果たしていきたい」と話した。

 現地インターンシップ事業で日系企業の広告展示事業などを手伝った西村陸さん(現代中国学部3年)は「報道では大気汚染など中国の負のイメージを強く感じていましたが、実際の中国を自分の目で見られたことが大きな収穫です」と話した。

 安井香瑠さん(同)は「日中関係の冷え込みが言われますが、中国の人たちの温かなもてなしに感激しました。この貴重な体験を自分の成長につなげたい」と感想を述べた。

 東亜同文書院は日中の「共存共栄」を建学精神として1901(明治34)年から45(昭和20)年まで上海にあった日本の高等教育機関で、多くの中国通のビジネスマンや外交官などを輩出した。