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【社会】育休退園申し立て却下 さいたま地裁 在園継続申請が可能

2015/07/29

 保育園に0~2歳児を預けている母親が下の子を出産して育児休業を取った場合、上の子を原則退園させる埼玉県所沢市の「育休退園」制度は違法だとして、母親らが退園の仮差し止めを求めた申し立てについて、さいたま地裁は却下する決定をした。決定は23日付。母親らの代理人弁護士が28日に記者会見して明らかにした。

 決定では、育休を取得する保護者が希望すれば、市に在園継続を申請できることを挙げ「市が継続を決定すれば退園処分を受けることはない」として、申し立てには理由がないと結論づけた。同市の藤本正人市長は「市の主張が認められたと考えている。今後も適正な運用に努めたい」とのコメントを出した。

 母親らは「育休中も保育園での保育を認めている『子ども・子育て支援法』などの法令の解釈を誤っており違法だ」として、制度の運用差し止めを求める行政訴訟も起こしている。

 市は今月16日、原告13世帯のうち2世帯の園児2人の在園継続を認めたがその理由については「個々の事情を考慮した」とするにとどめ、具体的な判断基準は明らかにしていない。