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【社会】教頭 1日13時間在校 文科省調査 長時間労働解消遠く

2015/07/28

 公立小中学校の副校長・教頭の1日平均在校時間は、小学校で12時間50分、中学校で12時間53分に上ることが、文部科学省の調査で分かった。教諭は小学校11時間35分、中学校12時間6分。副校長・教頭、教諭ともに自宅で仕事を1時間以上していた。教員の勤務は1日7時間45分だが、以前から指摘される長時間労働が改善されていない状況がうかがえた。

 副校長・教頭、教諭が1人で多くの学校業務を抱えていることも分かり、文科省は「現場任せでなく、教育委員会主導で業務を見直すことが必要だ」としている。

 調査は昨年11月時点で、抽出した全国451校に実施。校長392人、副校長・教頭447人、教諭6757人のほか事務職員が回答した。教諭には主幹教諭、養護教諭、講師は含んでいない。

 報告書作成や試験採点など、自宅に持ち帰っての仕事時間は、副校長・教頭が小学校1時間52分、中学校1時間32分、教諭が小学校1時間36分、中学校1時間44分。校長の平均在校時間は、小中とも11時間以上だった。

 児童生徒の指導や学校運営など71項目の業務を挙げ、従事している項目や負担感も初めて調査。

 副校長・教頭の半数以上が「従事している」と答えた業務は小中いずれも47項目で、うち小中ともに9割以上が従事していたものが「危機管理」など21項目あった。教諭も従事する項目が多く、1人で業務を多数抱える傾向にあった。

 書類作成など事務作業が負担だとの声も多く、負担を感じる割合が最も高かったのは「国や教委からの調査・アンケートへの対応」で、小中学校の副校長・教頭、教諭のいずれも80%を超えた。