2015/07/25
トヨタ自動車が2015年の国内生産計画を上方修正する方針を固め、生産現場の人員確保を急いでいる。工場で働く期間従業員を集めるため、初回の契約更新時に支給する特別手当を2年ぶりに復活させた。グループ主要会社でも期間従業員の待遇を改善し、採用増や勤続定着を図る。(石井宏樹、平井良信)
トヨタが復活させた手当は「初回更新特別手当」で、採用後3カ月の契約更新の際に10万円を支払う。7月入社に限定して始めたが、すぐに8月入社も対象とした。九月以降も状況を見て判断する。
前回、この手当を支給したのは2013年7~12月。当時は消費税増税前の駆け込み需要で高水準の生産が続いたためだ。
現在、愛知県内の工場で働く期間従業員は三千八百人。しかし、秋からは生産現場で約千四百人の人員不足が見込まれている。新型プリウスが、新たな車づくりの第一弾となるからだ。車両の大きさごとに基本骨格を統一する設計手法を導入したため、生産ラインの切り替えなどで準備段階から多忙となる。
ホンダなども新型車を投入しており、トヨタ幹部は「人手不足が懸念される」と語る。このため手当積み増しで期間従業員をつなぎ留めるほか、開発など他部門からの応援派遣も検討し、繁忙を乗り切る構え。
部品メーカーも対応に追われている。デンソーは6月から期間従業員(約5700人)の日給を300円引き上げたことをホームページでアピール。7月末から八月上旬にかけては地元の東海地方に加え、東北や首都圏、九州などで選考会を追加開催する。
豊田自動織機はフォークリフトも好調で、昨年10月に期間従業員の新たな手当を新設。初回契約から3カ月間、無断欠勤がなければ10万円を支給している。広報担当者は「優秀な人材を確保するために条件をより良くしている」と話している。
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