中日新聞CHUNICHI WEB

就職・転職ニュース

  • 無料会員登録
  • マイページ

【大学生】ただ今 就活中/首都圏で増える就活塾 志望企業に特化した助言

2015/05/26

 有料で面接やエントリーシートの書き方などを指導する就活塾が、ここ数年首都圏を中心に増えている。大手企業を志望する学生らが「他の学生と差をつけたい」との思いから利用している。

 「自分では気付いていないかもしれないけど、考えながら話しているから語尾が伸びている。気をつけて」。模擬面接をした講師のアドバイスに、慶応大の女子学生が真剣な表情でうなずいた。

 JR東京駅近くにある就活塾の最大手、内定塾東京校。2005年に開校し、現在では大阪、京都などに12拠点を持つ。フランチャイズ形式で拡大しており、昨年12月には、名古屋・栄に名古屋校ができた。3年生から、自己分析や個人面談などサポートする。

 「東京の学生は動きだしが早く、意識が高い」と池田陽介塾長。同校に通う学生は、東京大や早慶など上位校の学生が2~3割、明治、立教など中堅上位校が4割。多くが大手企業への就職を希望している。キャリアセンターでは一般論で指導する場合が多いが、塾では蓄積した情報を基に、志望企業の選考突破に特化した助言を個別にしているという。

 就活塾に人が集まる背景として、利用する学生は高校や大学受験で塾通いになじみ、保護者も塾に対する信頼感があるとする。

 首都圏で予備校を展開する城南進学研究社は、12年に横浜市に城南就活塾を開設した。担当者は「大学生のキャリア教育という分野が弊社になかったため、就活塾を開校した。塾などで手厚い指導を受けてきた親子の世代には、大学のキャリアセンターの指導が行き届いているとはいえない。塾を頼るケースは増加している」と分析する。

 学生以上に就活塾の活用に熱心な保護者も多いが、内定塾の池田塾長は「過剰に子どもの就活にかかわると、萎縮してしまう場合がある。あくまで学生本人に自分の道を責任持って決めさせるよう指導している」と話す。

学生たちを模擬面接する内定塾の講師(中)=内定塾東京校で
学生たちを模擬面接する内定塾の講師(中)=内定塾東京校で