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【社会】建設業 魅力はアイドル級 人材確保へ

2015/05/08

業界、DVDにデラ起用

 若者の建設業離れになんとか歯止めをかけようと、人手不足に苦しむ東海地方の建設業界が、名古屋市を拠点に活動するアイドルグループ「dela(デラ)」とタッグを組み、広報用のDVDを作った。「インフラ整備に寄与する仕事」と建設業の役割をアピール。“男社会”のイメージが強い業界への女性の就業を促す狙いもある。

 DVD製作は愛知、岐阜、三重、静岡各県の建設業協会などでつくる「中部圏建設担い手育成ネットワーク協議会」による初めての試み。約13分の映像で、delaメンバーの沢井里奈さん(21)、綾瀬麗奈さん(20)が案内役として登場する。

 2人は、ゼネコン社員の案内で名古屋駅前で建設中の高層ビル「JPタワー」(地上40階、地下3階建て)の現場を見学。多くの人が手を携えながら取り組む様子を「夢を形にする世界」と表現し、自らのアイドルの目標に重ねてみせた。

 建設業を目指す女性の専門学校生にもインタビューし、性別の垣根を感じさせない仕上がりにした。実情では建設業界の女性技術者は5%にも達していないため、DVDを高校や図書館に無料で配布して進路選択の参考にしてもらう。

 建設業の国内就業者数は2014年度が505万人と、ピークだった1997年度の4分の3まで減少。55歳以上が34%を占める一方、29歳以下の若者は11%と極端に少なく、次世代への技術継承も大きな課題となっている。

 中でも東海地方は、名駅周辺の再開発事業やリニア中央新幹線の本格着工で人手不足が深刻だ。愛知県内の3月の有効求人倍率は1・53倍で、全国平均(1・15倍)を上回る。特に建設関係では4・68倍と、他の職業を大きく引き離す。

 協議会の事務局を務める中部地方整備局建設産業課の担当者は「建設業のやりがいを広く知ってもらえたら」と期待を込める。

建設業の魅力を紹介する沢井里奈さん(左)、綾瀬麗奈さん=広報用のDVDから
建設業の魅力を紹介する沢井里奈さん(左)、綾瀬麗奈さん=広報用のDVDから