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【愛知】就活支援ホテル合宿 愛知東邦大外部講師招き面接特訓

2015/02/07

 3月から就職活動が本格化する大学3年生を対象にした愛知東邦大(名東区)の特訓合宿が中区のホテルで行われている。学生は1泊2日で集団面接の練習などを繰り返し、自分の売り込み方を学ぶ。大学側も学生が内定するまで支援しようと懸命だ。(戸川祐馬)

 ◇ ◇ ◇

 「あなたの長所は、うちの会社にとってどういうメリットがありますか」

 ホテルの一室で面接官の前に4人の学生が並んで座る。すらすらと答える学生もいれば、想定外の質問に詰まる学生も。両脇には他の学生が4人ずつ座り、面接官と学生のやりとりを注視する。

 合宿は2003年度から毎年、春休みに入る2月に実施。今年は一般企業と保育士・幼稚園教諭を目指す計250人余りが参加する。

 全五回のうち初回のグループは五日に始まり、50人が4室に分かれ、インターンシップ(就業体験)やアルバイトなどの経験を基に自分の長所を説明。企業で採用担当の経験がある4人が講師として招かれ、入退室の姿勢や話すときの目線、いすの座り方などから話の内容まで丁寧に助言した。

 面接官を務めた小川現樹さん(43)は「選考は学生を落とす場ではなく、企業が一緒に働く仲間を探している。自分をいかに伝えるかがポイントです」。

 本番さながらの雰囲気で練習できるようにと、大学以外の場所で学外の人を講師に招くのが特徴。参加費を無料にした09年度以降の参加率は9割近い。学生にとっては周囲の学生と比べて自分の立ち位置を知り、自己PRなどを修正していける。大学にとっては個々の学生の性格や力を把握できるため、支援しやすくなる。

 安田千紘さん(21)は「話していない間にも面接官に見られていることが分かった。気をつけたい」。園田祐己さん(21)は「3月1日までには万全の状態にしたい」と表情を引き締める。

 文部科学省の調査によると、大学生の就職内定率はリーマン・ショックや東日本大震災で一時落ち込んだが、12年3月の卒業生以降、上昇傾向。同大によると、今年は大学生が優位の「売り手市場」といわれるが、依然、採用基準が厳しい企業は多い。

【就職活動の日程】 学業に支障が出るとして、政府は経団連など経済3団体に就職活動の解禁時期を3カ月繰り下げて3年生の3月にするよう要請。経済団体側も了承した。今の3年生から、会社説明会は12月から3月に、選考は4月から8月にそれぞれ遅らせた。